「大学生になり希望に溢れていたのに、こんな多摩の奥地に来てしまい、はぁ、なんなんだ、と沈んでいる所で、見つけたのが頭脳パンだったんです」そう語ってくれたのは、創立者であり、現会長でもある加藤千晶さん(社・三)。

 「これだ、と思いました。あとはサークルを作ればロッカーがもらえるというので、人を集めました。みんなは乗り気じゃなかったんですが」不満そうに話すが、普通に考えれば確かに乗り気になれる話ではない。

 具体的な活動内容は、週一回集まって、頭脳パンを食べ、頭脳パンについて語り合う。その際、頭脳パンについての資料なども持ち寄り、研究を深める。試験前は皆で頭脳パンを食べ、成果を出す。

 「頭脳パンに縁のある場所を訪ねるということで、パン工場見学に行きました。関東で頭脳パンをつくる権利を持ってるのが伊藤パンなんですよ。頭脳粉を作っている金沢製粉にも行きました」話は止まらない。「頭脳粉というのは百グラムあたり〇.一七ミリグラム以上のビタミンB1を含んだ小麦粉のことで、ここは日本で唯一頭脳粉を作っている工場なんです。今度は原料の小麦を見にオーストラリアまで行きたいですね」夢は壮大だ。

 「これを読んでくれれば、だいたいわかるんですけど」そう言って出してくれたのは、三十ページ以上にもわたる頭脳パンについて書かれた冊子。もはや「なぜこんなものを…」という疑問も出ない。

 「工場には何度も手紙を出してアプローチしてます。ちゃんと返事や新商品のお知らせなんかも届くんですよ。試作品が届いて、それを食べて感想を送ったり。ゆくゆくは共同開発をしたいと思ってるんですけど」本格的といえば本格的な活動内容である。

 構成員は基本的には多摩の学生だが、興味があれば他大の学生でもなんでも大歓迎とのこと。「去年は市ヶ谷祭にも参加しました。今年は頭脳粉使用のクレープなんかがいいかなと。市ヶ谷支部とかできたらいいですね」

 多摩では数少ない異色サークル。頭脳パンについて熱く語りたい人、ぜひ参加してみて欲しい。     (高野恵生)

 

  


 

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