田中 直宏
(応援団・団長 )

行動する研究者たーくん

 「応援団の活動には運動部のように賞があるわけではない。応援する上で自分自身を高められる意志が無ければいけない」。相手を真っすぐに見つめる澄んだ目には強い意志と確かな自信がのぞいていた。今となっては応援団の世界は、もはや生活の一部。誰もいない終電の中でも自然と腕を動かしてしまう。

 四年前、何気なく見た応援団のデモンストレーション。その迫力に「すごい」の一言だった。六年間続けた剣道から、応援団という新しい世界への挑戦を決めた。待っていたのはきつい練習だった。皇居までうさぎ跳びなどを交ぜながら進む。普通に歩けば三十分の道のりが二時間かかった。やめようと思ったこともある。しかし、つらい練習の支えとなったのは仲間だった。「四年生まで続けてみんなで幹部になろう」。初めての合宿で同期の仲間と交わした約束。言い出した自分が破るわけにはいかない。その約束が四年間続けさせた。同期とのきずなは、先輩・後輩へともつながっていった。「後輩の成長を見たときが、一番やりがいを感じます」と話す団長の顔は、仲間への思いやりにあふれていた。

 応援団という上下関係の厳しい世界。だからこそ人の立場を理解できるようになる。「今思い出すと、昔先輩に言われたことと同じことを後輩に注意していることに気付くんですよ。当時の先輩の気持ち、大変さが今となってはよく分かる。つらいことでも継続すれば必ず得るものがある」。

 理想の団長像は「どっしりと座って何事にも動じず、優しさをも持つ。そしてすべての責任を引き受ける存在」と話す。その言葉通り、座っているだけで威厳があるのにどこか優しい温かさを感じる。 強い意志をもち、仲間とのきずなを何よりも大事にする。『壬生義士伝』など武士道を描いた作品を好み、自らも武士のような心を持った「現代の侍」田中団長が率いる応援団が今年度、法政大学体育会の心の支えとなる。  

(取材・石井)  

 

  


 

COPYRIGHT(C)法政大学新聞学会

このホームページにおける全ての掲載記事・写真の著作権は法政大学新聞学会に帰属します。

無断転載・流用は禁止します。

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送