著作権というものに関心を持ったことがあるだろうか。それが何なのか正確に知っている人はいるであろうか。時代は急速にデジタルに移行し始めITなる言葉が世間を席巻し始めた。それに伴い著作権問題が深刻になってきている。あなたももしかしたら、いつのまにか犯罪者になっているかもしれない。あまり詳しくお伝えできないかもしれないが、できうる限り分かりやすく説明しようと思う。

 著作権というものは、人間が思想、もしくは感情に基づいて創作した創作物すべてに、創作者に与えられる権利で、要は、その創作したものを複製したり使用したりする権利を独占する事ができ、第三者が作者に無断で使用した場合は厳しく罰せられる。
 日本においては、著作権の届出をしなくても、著作したその時点で著作権が発生すると考えられている。また著作権は、著作者が存命する限り、および死後五十年までその権利は行使できる。  著作権は右記の通り人間の文化的な創作物すべてに適用されるため、少し幅広くなってしまう。ここでは、面の都合上音楽に関連して著作権を語らせてもらいたい。

さまざまな権利で守られている音楽CD

 あなたはCDなどをコピーしたことがあるだろうか。実はCDにはいろいろな権利が含まれていて、この行為にはいろいろと問題があるのだ。
 CDにはまず、作詞作曲した人。この人が著作権を持っている。次に、作られた曲を歌ったり、演奏したりする人、この人たちは実演家と法律上は呼ばれる。後は市販される前のマスターと呼ばれる音源を最初にレコードに固定した者、これはレコード会社もしくは、たいていは音楽出版社というところにあたりレコード製作者と呼ばれる。実演家とレコード製作者は著作隣接権というものを持ち、各アーティストはレコード製作者に所属することで、音源を元に曲のプロモーションなどをできるようになる。
 そして、CDなどをコピーすることなどは、この著作権者もしくは著作隣接権者に独占的に与えられており(複製権と呼ばれる)、第三者がこの行為をする場合、個々に許諾を求めなければならない。無断でやってしまうと著作権法違反となる。

 そう言われても街にはMDやらテープやらCD―Rなど、録音機械があふれていて、みんなやっているし問題になっていないではないかと思うだろう。
 実は自分が個人で楽しむ為にコピーをする行為(私的複製の範囲)だけはこの著作権の行使が免除されているため問題にはならない。ただしMDや音楽用CD―Rなどのデジタル録音機器などを使う場合、本来ならば法律上は使うごとに、個々に著作者に相当の額の使用料を払わなければならないのだが、それではあまりに規模が大きすぎてしまう。そのため販売する時に保証金を上乗せした形になっている。この保証金を集めているのが、私的録音保証金管理協会(SARAH)と呼ばれるところで、ここからレコード会社や著作者に分配されている。
 だからといって、友達にコピーしたCDを譲渡したり貸与する(頒布する)行為は、本来ならば私的複製の範囲を超えているので、罰則規定はないが、違法行為となる。もちろん、お金を取ってしまうなどは、完全に違法で、それは海賊盤を製作したとみなされ、摘発されると三年以下の懲役または三百万円以下の罰金という重い刑が待っている。実際に摘発件例もあり、心しておいた方がよいだろう。コピーはあくまでも自分だけで楽しむことだけに許されていることなのだ。
 ところで、音楽には聞く以外にも楽しみ方がある。カラオケで歌ったり、バンドなどを結成して人前で歌ったりすることだ。この行為にももちろん著作権はある。作られた曲を演奏することは、作者や演奏者のみに許されたことなのだ。でも学園祭などで歌ってはいけないのかというとそうではない。入場料等を取らない、演奏者に報酬を与えない、宣伝目的に行わない、の三つの事項を守っていれば著作権のある楽曲も使用は可能だ。ただし、ライブハウスなどの営業している場所で行う場合は別で、その際には営業者が著作権者と契約をしているので、お金をとっても問題は起こらない。カラオケをする場合は何もないが、カラオケ自体には問題がある。カラオケ機器には膨大な曲データが入っているが、この機器を作っているリース業者の一部やカラオケ店舗の一部は著作権者と契約を交わしておらず、違法な状態で営業している。私たちにはあまり関係がないといえばないが、そのような店を使用することは違法行為を荷担しているみたいなもので、できることならば、きちんと契約した店を使用することをお勧めしたい。あくまで道徳上の問題ではあるが。

正しい音楽の楽しみ方

 少しは著作権というものが分かってもらえただろうか。これだけでは著作権のさわりのようなもので、興味をもたれた方は独学で勉強することをお勧めする。それでは勉強するのはいやだという人のために最後に一つ。あなたはパソコンを持っているだろうか。そして、世界中に星の数ほどあるサイトから、音楽データをダウンロードしたことがあるだろうか。もしそのサイトの運営者が、著作権者と契約していなかった場合、運営者はもちろん違法たが、ダウンロードしたあなたも、複製権の侵害で違法行為を働いたことになる。すなわち犯罪者ということだ。
 著作権がなぜここまで、厳密に決まっているのかというと、やはり著作者にも生活があり、海賊盤やインターネット上で音楽データなどが氾濫してしまうと、オリジナルを買う人がいなくなってしまい、著作者は生活ができなくなってしまう。著作権を破ることは簡単だ。摘発もあまりに数が多いためされることが少ない。結局問題になるのはあなた自身の道徳心だ。すべてはあなたの良心にかかっているといっても過言ではない。 取材協力先 日本音楽著作権協会 (JASRAC)

 



 

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