危機管理体制を大学に聞く 前編

学生食堂の安全性


シダックスの場合

 二〇〇〇年四月のボアソナード・タワー利用開始と共にオープンした地下学生食堂。既存の五五、五八年館は法政大学生活協同組合が運営しているのに対し、こちらはカラオケボックスで知られる、シダックスフードサービス株式会社が運営をしている。  

 日ごろの衛生面について支配人の長岡智彦さんに聞いてみると、「宇宙食にも 使われる世界一の衛生基準、HACCP(ハサップ)の基準に則っている」という。HACCPとは、Hazard Analysis and Critical Control Points(危害分析重要管理点)のことで、国内では九十五年から導入されはじめている。食品をそのつど、温度や状態を監視することによって、食中毒を未然に防ごうとする基準のことである。  

 それにより、異なる食品の種類ごとに使い捨て手袋を使用し、揚げ物は基準温度以下では提供せず、生野菜は消毒剤で洗浄してから水洗いして提供するという徹底ぶり。当然、現在までに食中毒は起きていないが、万一発生してしまった場合に備えて、主菜を二週間冷凍保存しているという。従業員にも清潔な身なりや手洗いの徹底、毎月実施の検便も夏場は月に二回の実施で、衛生面では万全を期している。  

 BSE事件の対策について聞いてみた。牛丼やスタミナ丼という、牛肉がメインのメニューには、事件以前から米国産、オーストラリア産の牛肉を使用していたという。BSEの事件発生から一、二週間は本社からの通達で牛肉自体の使用を中止した。しかし学生らの要望もあり、牛肉も危険部位を除いて、安全と認められたので再び米国産、オーストラリア産の牛肉を使用し始めたという。  

 牛を原料にした肉骨粉もカレーに用いていたが、事件後は、鶏を原料にしたものへ変更したという。  

生協の場合

 市ヶ谷、多摩、小金井の各キャンパスで学生食堂を運営している法政大学生活協同組合にも同様の質問をし、文書で回答を得た。  

 食中毒予防については、衛生基準を遵守し、予防に万全を期しているという。また、万一発生してしまった場合には、ただちに保健所や大学に届出をし、被害者には保険などの対応を万全にしているという。  

 BSE事件については、昨年十月に「狂牛病対策について」という文書を食堂に掲示して利用者に情報提供したという。それによると牛肉は、狂牛病が発生していない米国、オーストラリア原産と国内、栃木県那須産の牛肉を使用しているという。国産牛については牛の危険部位を食材として使用していないので安全であるとの見解を出している。

 

  


 

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