日本心臓ペースメーカー友の会という組織がある。現在、およそ三千人の会員がおり、ペースメーカー(以下、PM)についての確かな情報を提供している。

 会員で理事を勤める岡部幸子さん(PM歴十年)、佐久間陽子さん(PM歴六年)に、PMを実際に装着している人が、どのように感じ、生活しているのかを伺ってみた。

─影響があるとされている電化製品などは何ですか。
佐久間(以下、佐)「今言われているのは、IH(電磁誘導加熱)炊飯ジャーです。しかしこれも抱きついて使用することはないので、離れていれば問題はないので心配はいりません。あとは、電磁枕、貼付用磁気治療器、磁気ネックレスなどです。患部に近づけることは避けた方がいいということです」
岡部(以下、岡)「たいがいの電化製品には、PMの方は、と書いてありますよね。それを見ると一般の人は影響があるのかと思うようです。あれは最悪の場合を想定して書いていますから」

─電車の中で使用している携帯電話についてはどうですか。やはり使用を禁じる必要があるほど影響があるのですか。
岡「最初のうちはそのように言われていましたけど、だいぶ騒がれたでしょ。私たちはこういう所にいて、二十二センチ以上離して使用すれば大丈夫だと知っていますから怖いと感じることはありません。けれどもあまり情報をもっていない人に他からの情報が入ると怖いんだろうなとは思います」
佐「友の会の会員でない方が悪影響があると聞くと電車で携帯電話の音を聞いただけでもドキドキしたり、不安になったり、気分が悪くなったりするそうです。それは携帯電話の影響ではなくて、怖いという気持ちから起こるものでしょう。会員の人には、二十二センチ離せば影響はないと伝えているので、最近ではそういうことに不安を抱く方はあまりいません。しかし会員以外の方のほうが多いので、不安をかかえている方はいらっしゃると思います」
岡「私たちは平気だと思っていますが、その辺の把握は難しいですよね。やはり影響がまったくないわけではないので、何年も古いのをつけている人もいますから、そういう機種の中では影響を受けるものもあるのです。しかし影響はあるが、心配しなくてもいい、という感じです」

─となりの人が携帯電話を使用していたらPMが入っていますから、と言いますか。
岡「いやだな、困ったなとは思いますね。何も入っていない人ではないので、いい気はしません。言おうかなとは思いますが、私は言えませんね」

 PMを装着しているからといって、他の人と違う生活をしているのかといえば、そうではない。しかし、やはり注意する点もあるのだ。最近のPMは電磁波から守るために、携帯電話は電磁波が出にくいように、シールドをつけたりと互いの処置が見られる。しかし、三十年前の機種もあるわけで、悪影響がまったくないとは一概に言えない。PM装着者の気持ちや何よりマナーの問題がある。混雑した場所での使用は避け、電源を切るのは当然だろう。  (飯島真紀子)

 



 

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