大槻隆行さん(法・政)は、就職活動の真っ最中の二月中旬、大きな壁にぶつかった。それは、某キー局での局長面接の時だった。

 「面接官に『なぜアナウンサーになりたいのですか』と聞かれて、言葉に詰まってしまった。社会で起きていることをただ伝えていきたいということだけでは、志望理由にはならない。そんなことは記者でもできると言われてしまったんです」

 「なぜアナウンサーなのか」、その答えを見つけなければならなかった。小さい頃からずっとアナウンサーになりたかったわけではない。大学生活を通じて、世の中に広く伝える報道の仕事がしたいと思い、アナウンサーを受験した。きちんと仕事の本質を自分なりに理解し、それを自分に照らし合わせて、その職業に就いたらこういうことがしたいということを見つける必要があったのだ。  そんな時、自主マスコミ講座が精神面で大きな支えになった。周りに同じ目標を持った人が多くいたことが心強かったという。面接の時期になると、自主的に集まって教室でお互いに模擬面接や、カメラテストをやっていた。

 「講座を通して、アナウンサーという明確な目標を持つことができた。また、講師や職員の方のおかげで、常に自分を変えなくてはという意識も持てた」という。  その後、就職試験も終盤に入った四月半ばになって、ようやくその答えが見つかった。  「話すということは、活字にするよりも伝わる力が強い。だからこそ、自分の口から伝えたい」そう面接で自信を持って言えるようになったとき、NHKから内定をもらった。

 最近ではニュースを見る際にアナウンサーの仕事を意識するようになったという大槻さん。入社後は、報道で受け手が何を知りたいか、どうすればわかりやすく伝えられるかを考えてやっていきたいという。  最後に、これから就職活動を迎える三年生へ向けてメッセージを聞いた。

 「自分は絶対この業界に行くんだという意識を持つことが大事。そうすれば、その仕事の内容をとらえて、なぜ自分がやりたいかをきちんと考えることができるから。そして、今の自分に満足せずに少しでも上のレベルにいけるように努力してください」

 



 

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