長引く景気低迷、5%に達している失業率。叫ばれ続ける構造改革により、成果はともかく「痛み」によって、数年は景気が落ち込むのは間違いない。この問題は法大生にとっても他人事ではないだろう。法大生の進路にも影響してくる。そこで今年の就職状況について竹原珍彦就職部長にインタビューを行った。

 現時点での内定率は?

 七月上旬時点での文科系学部生の内定保有率は約70%、工学部生では80%でした。現時点ではもう少し上昇しているでしょう。数字的に、今年度は例年より比較的好調といえます。好調な要因の一つに、近年の不況感、景気の不透明感によって先送りされてきた新卒採用も限界に来ていることがあげられます。企業も組織を活性化し発展させるためにも新しい人材を確保しなければなりませんから・・・。また、業種別では、大規模なリストラ策を打ち出し社会注目もありましたが、IT関連企業が新卒採用意欲の回復を下支えした観があります。前年度の最終内定率95%を今年は上回るものと思われます。

 今年度の求人状況は?

 就職部の掲示板に張り出してあるような従来からの紙による求人は減っています。しかし、インターネット普及率の上昇に比例して、ネットでの求人が大幅に増加しており、結果的に求人総件数は増加しています。前年度は5600社の求人があり、今年はそれを上回ると予想されます。  今年度は昨年度の反省からか、求人関係資料を就職部に直接持ち込まれる企業が増加しています。これはネットによって応募者の底辺が大幅に拡大された反面ネットで説明会のエントリーを受付ても実際には学生が集まらないという現状があったからだと考えられます。

今年度の学生の希望する業種は?

 今年は食品業界に人気があります。人間の衣食住の内、恒常的な需要のある食に関する企業、つまり景気に左右されにくい企業に就職を希望する学生が多いということは、それだけ今後の日本経済や景気に不安を感じている学生が多いということを示しているのでしょう。 公務員も学生、そして父母からも高い人気があります。後援会主催で父母向けの懇談会を実施していますが、地方では、卒業後は地元にUターン就職をしてもらいたいと考えている父母が多く、中でも転勤やリストラなどのリスクの少ない公務員に根強い人気があります。ただし、最近ではなかなか公務員試験に合格するのも難しく、公務員志望の学生には低学年のころから準備をするようすすめており、低学年も対象とした公務員講座というのを開いています。

超氷河期と呼ばれる女子学生の就職難の実態は?

  就職率でいえば、差にして1%程度と、男女の違いはないといえるのではないでしょうか。男子学生と同じゼミ、サークルで活動するなど総合大学としての強みもあるのでしょう。総合職、一般職などの違いは数には現れてきませんが、一般職を希望する学生もおり、一概には差別があるとはいえません。もちろん第一希望職に入ることは男女共にまだまだ厳しいのが現状です。

最後に、学生に向けてのメーセッジをよろしくお願いします。

 就職活動を積極的かつ活発に行うのももちろん大事なことですが、やはり、大学生たるもの授業には出席してほしい。そして勉強を通して通して幅広い論理性や知識を広げてください。また新聞や読書によって考え方の多様性を学んで欲しい。それができているかどうか、結果としてエントリーシートや面接試験などの大事な場面で試されてきます。 またアルバイトなどを通して積極的に社会と関わってください。学内はもちろんのこと実社会での活動を通して社会性や協調性、コミュニケーション能力の向上に努めてください。いま学生に求められているのはまさにそこです。そして、何より就職部を利用してください。

 



 

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