就職部長に訊く


――まず現在の内定率について教えてください。

 七月一日に行った、無作為抽出五百名の学生への電話による聞き取り調査によると、男子が五六%、女子が五八%で、全体は五七%。去年より四%のダウンです。去年から比べると、女子が一四%ダウンしています。今年は男子が頑張っていると思います。それから今年で二期目の国際文化が、一期生に比べると内定が取れていないですね。

――女子と国際文化の内定率が落ちた要因は。

 女子は、金融を希望する方が多かったのですが、銀行の統廃合、窓口業務のアウトソーシング化、パート・アルバイト化が進み、募集採用が少なくなったせいではないでしょうか。学部差はなく、女子の内定率が去年より落ちてます。国際文化は女性が多いせいもあるでしょう。

――就職活動をする上で、学生に一番必要なことはなんですか。

 もちろん就職を前提にしたわけではありませんが、やはり学部の勉強ですよ。面接官に専門の勉強について聞かれて答えられないようでは、恥ずかしいです。そしてできればゼミに入って、自分の勉強に深みを出すと同時に、ディスカッションなどを重ね、対人能力を高めてほしい。大学は最後の教育の場になるわけですから、社会に出る上でしっかりとした人間形成を行う必要があると思います。また、そういったものが自然と就職活動とつながっていくのではないでしょうか。

――学部の勉強以外で大切なことは。

 履歴書に学校の勉強以外で力を入れた点について書く欄がありますが、八割の学生が「アルバイト」と書きます。しかし企業の中には、アルバイトと書いた学生をほとんど相手にしないところもあるようです。やはりサークル、ボランティア、インターンシップなど、様々な経験を積んでほしいです。

――インターンが流行っているようですが現状はどうですか。

 採用直結型というのはどうかと思いますが、社会に出て勉強できるという点では良い制度だと思います。ただ日本の場合まだまだ受け入れ先が少なくインターンに行き着くまでが厳しいので、そこが残念に思います。

 ――今年人気の業種はなんですか。

 マスコミはもちろんそうですが、試験が早かったせいか、関東一円の鉄道、私鉄が人気です。それからキューピーや森永、キッコーマンなど、景気の影響を受けにくいということで、食品関係。あと、大企業ばかりですが、運輸ですね。

――やはり大企業思考が…。

 というか、試験が早いため自然と皆が大企業を受けるようです。ただ、そういったことが就職活動の早期化につながってくるのが気になります。早くなればなるほど学生は専門の勉強をする時間がなくなってきますから、それがかわいそうです。もう協定が復活することはないと思いますが、倫理観の問題として、企業にはせめて四年の四月から採用活動、ということにしてほしいですね。

 ――最後に学生に向けて。

 やはり勉強してほしいですね。それから、噂に流されないでほしい。また、企業から法政の学生は優しい、おとなしいと言われます。実際、最終面接まで行ってもそこで落とされてしまうケースが結構多いようです。最後まで気を抜かず強靭な精神で頑張ってほしいですね。

 



 

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