就職難が叫ばれている現在だが、特に難関とされているものにマスコミ業界がある。マスコミと一口に言っても、新聞、テレビ、出版、広告など、その業種は様々だ。今回はその中から編集者という職業を取り上げ、講談社の嶋田哲也さんに、編集者として就職する際に求められることなどを伺った。

出版社が求める人材とは

 やはり本や雑誌が好きということが前提になりますが、憧れや夢だけで止まっているようではいけません。自分が提供する側に立つということを考えられる人でないと。 一番大切なのは、自分の頭で自分なりの考えができるということです。常に問題意識を持って、それについて自分で調べたりできる人がいいですね。人の言ったことを鵜呑みにするような、批判精神のない人は駄目。批判精神といっても、評論家的なだけじゃなくて、そこからどうすればいいかを考えて行動できることが大切です。

就職試験で何を重視するのか

 書類選考や面接を通して、「自分のやりたいことがはっきりしているか」を見ますね。ただ「雑誌がやりたい」と書いてくる人がいますが、それだけだと「どんな雑誌がやりたいのか」が問題になってきますよね。かと言って、特定の雑誌を挙げるのも範囲が狭くなりすぎるのであまりよくないです。あるジャンルの中で、例えば「女性誌のファッション」というように、何か一本筋が通っているといいですね。

 その上で、ライバル誌との違いを答えられるようにしておくなど、やりたいことに関係することくらいはおさえておいてほしいと思います。

マスコミのアルバイト経験は有利になるのか

 全くありません。むしろ不利になる場合もありますよ。この業界を少し知っているというだけで知ったかぶっている人だと、せっかくの経験もマイナス評価の原因になってしまいます。謙虚な姿勢で試験に臨めば、有利にも不利にもならないと思いますけど。

大学生のうちにやるべきことは

 思いっきり遊んだり、流行のスポットに行ってみたりするなど、常に視野を広く持って、いろんなことを見て、自分の世界を広げて下さい。好奇心がものを言います。でも、ただ見るだけじゃなくて、そこから自分の役に立つ何かを生み出さなければ、何も意味がありませんよ。

編集者に必要なことは

 やはり体力は必要ですね。どうしても睡眠時間は少なくなるし、生活も不規則になりがちですから。 あと、人付き合いが好きだということは大切です。みんなで一つのものを作っていくことは、人と人との係わり合いの中で出来上がっていくということですから。編集者は色々プランを立てたりするわけだけど、自分の頭だけで考えていると、どうしても限界があります。人とのコミュニケーションの中から生まれるものっていうのは、やはり大きいですね。

編集者を目指す学生に一言

 出版社への就職は、確かに難関と言われていますが、会社に入るためのマニュアルやテクニックばかりに走らないで欲しいと思います。オリジナリティーを持って、自分の頭で考えて、自分で行動して欲しいです。常に問題意識を持ち、疑問が生まれたら調べる。この作業を楽しむことも大切ですね。新しい物や人を発見して、そこからいいエネルギーをもらってください。行動してエネルギーを放出するだけではなく、その行動からエネルギーを充電できたらいいですね。

嶋田哲也さん 八五年、本学経営学部卒。その後、講談社に入社。現在は総務局人材開発部の副部長として、会社の人事に携わっている。

 



 

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