自己分析やSPI対策に追われている学生が最後に気にするのは面接であろう。学生にとっては内定までの最後の砦となる面接。しかしこの部分について学生たちは、どのように対策すればよいかわからない状態ではないだろうか。そこで今回、面接官はどこを見ているのか。そして面接で重要になる基礎的なマナーについて実際の人事担当の話を伺いながら見ていきたいと思う。

第一印象が決め手

  「面接はドアに入ってから三十秒、我々とまず目を合わせたときで決まります。後は最初の確認作業にすぎません」と元証券会社で面接を担当していた伊藤さん(仮名)は語る。学生たちは、面接官が話の内容に興味を持っていると考える。しかし面接官たちは、我々の意に反し全く違う部分を見ているのだ。最初に面接官が入った瞬間の眼や姿勢を気にする目的は、社会に出てもきちんとしたコミュニケーションの能力があるかを測っているのだという。なぜ目線や姿勢が大切なのか。それは入社後に必要となる対人折衝能力を見ているからだという。だから入室の際、下を向いてしまうことはしてはいけないとのだ。「これでは面接官が学生の表情を読み取ることが出来ません」伊藤さんはいう。

実際始まって 

 そして実際、面接が始まると面接官は、いかに面接官と言葉のキャッチボールを出来るかを見ているという。つまり面接官は決して学生が自らの事を長々と話すことを望んでいない。実際に就職活動を終えた四年生は、自己PRをすることを第一に考えていたという声が多かった。しかしその学生の考え方は面接官にとって逆効果なのである。「自分のことだけ話す学生さんは、コミュニケーション能力を見ようとしている面接官にとって大きなマイナス要因となりますね。面接官に対して、話のネタを提供するとか助け舟を出す気持ちで面接に望むと良いでしょうね」。だからこそ面接官に我々の情報を提供する意味においてエントリーシートはたくさん書いたほうが良いと伊藤さんは語る。

面接時の基本姿勢

 そして面接時のマナーについてプリンスホテル人事部の藤井氏は「面接官に礼をする時は、上半身だけでなく腰から曲げることが重要ですね。座った時には椅子に深くかけましょう。(左写真参照)しかしこのとき重要なのは背にもたれに寄りかからず、背筋はきちんと伸ばすことです。また男性は、座った時に股を開きやすいので気をつけてください」と説明してくれた。

面接にあたって

 面接に臨むときのアドバイスとして、その会社についての質問をしたほうが良いと伊藤さんはいう。その理由は二つ。一つ目には学生が会社に興味を示しているかを表すことが出来るから。二つ目の理由は、学生にとってその会社を評価する良い基準になるからという。「面接には会社の全体像が見えている優秀な人材を配置しているはずです。その人たちが会社のことについて答えられなければ、その会社はそれまでと学生が判断できますから」と伊藤氏。その際の質問例として「あなたがこの会社に入って理由は何ですか」、「この会社の社長はどんな人ですか」という二つを挙げてくれた。

 また藤井氏は面接時にはある程度の緊張感を持っておいたほうが良いという。「全く緊張していない、妙になれなれしい態度は新鮮味がないので逆にマイナス要素となります。多少の緊張感は一生懸命やろうとしている学生の姿だから減点材料にはなりません」。そして面接に臨む姿勢が一番重要であると藤井氏は言う。「面接の際には、自分をこの会社に入社させてくださいという気持ちが大切です。そのような気持ちは、退出時の礼からもにじみ出てきますからね」。

◇ ◇ ◇

 今回の取材を通し、面接において重要なことはその企業に対する熱意を、態度や質問を通して見せるであるということである。そのためにも面接だけに限った対策を付け焼刃で行うべきではない。じっくりと入りたい業界や企業のことを研究すること。そして何より自分のことをよく分析すること。それがこれから面接が始まるまでのこれからの時期に必要なことではないだろうか。

『取材』 上島正弘

 



 

COPYRIGHT(C)法政大学新聞学会

このホームページにおける全ての掲載記事・写真の著作権は法政大学新聞学会に帰属します。

無断転載・流用は禁止します。

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送