■ベンチャー企業
「そうですね。留学当初は外資系の金融機関に入れるよう、がんばるつもりでした」。法政大学経済学部四年の車昇R(チャスンヒョン)さんは、アルバイト先のベンチャー企業を就職候補としている。十人程度の小さな企業だ。知人である社長さんに紹介され、働き出したのが契機だった。
彼の業務内容は韓国人へ日本語での電話サポートが主だ。「今の会社は、小さいので成功するかどうかわかりません」
■就職活動
「就職での外国人差別はほとんど感じませんでした。それよりか、企業が求めている人材にそぐわない人が多いです」。就職活動を終えた彼の言葉には重みがある。日本企業への新卒採用への道のりは、非常に厳しい状況だ。その障壁の1つとして挙げられるのは、年齢の壁がある。
大学入学前、母国での徴兵期間の二、三年間に加え、日本に来てから日本語学校に通い日本語を習得する人が多い。そのため、留学生の年齢層は高い。
■学歴
「日本で採用され働くという事は、日本人と同じようにして扱われる。言葉のハンディキャップがあるだけ韓国人が不利です」。現在、韓国では私費留学が一つのキャリアアップとして定着している。「日本で就職したい人も、いれば始めからそう思わない人もいます」。
実際の留学の動機が、韓国で就職活動に失敗した事や、学歴の一つとして留学をしようとした人も数多くいる。国に戻れば、内定先の初任給も二十パーセント程上乗せされるという。「韓国では、日本語が話せる能力も大切ですが、大卒の肩書きが重要視されます」。日本以上の学歴社会である韓国のお国事情が伺える。
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