社会人学生インタビュー

金子京子さん キャリアデザイン学部1年


 金子京子さんは、この春社会人入試に合格し、まちづくりのNPO法人で活動しながら、大学に通うキャリアデザイン学部の一年生だ。東京の女子大を卒業後、公務員として五年間勤務するが、結婚、出産を機に退社。子どもが成長すると、積極的にNPO活動を始める。「今はNPOで女性の再就職を支援するシステムをつくろうと思っています。その際に発生するお金をきちんとした形にしていきたくて、キャリアデザイン学部で経営学的なことを学ぼうと思いました」

 かつて通っていた大学では、自発的に学ぶことはあまりなかった。しかし、明確な目標のある現在の大学生活では、自身の想像していた以上に広がりがもてたという。「知識を学ぼうというよりも、ここで得たものを自分でどう料理していくかですね。例えば、授業で紹介された本の過程の何気ない一節に、企業での企画の立て方について書かれてあったりとヒントがあるんです。それを拾って、追求していく。そうやって考えることに時間をかけています」。そう話す金子さんは、学外のフォーラムやシンポジウムにも積極的に参加している。

 大学で学んだことを、卒業後にどう生かしていくのか尋ねたところ、意外な答えが返ってきた。年内にはNPO団体を新しく立ち上げるという。「私の場合は卒業を待ちません。大学で学んだことを事業に生かし、事業で学んだことを大学に生かし、その相互関係をうまく利用したい。そして将来的には、学生と一緒に活動をしていきたいですね」。その行動力に圧倒されてしまいそうだが、別段社会人だからというわけではないという。「一般の学生でも、元手をかけずに起業して、自分を試してみることも十分できますよ。学生なんだから、失敗しても大丈夫ですし。その経験が企業に入ってからも生きてきますよ」。そう話す表情からは、年の差をまるで感じさせない好奇心と向上心に満ちていた。

 最後に金子さんの考える、社会が大学生に要求するものは何かを聞くと「自分で考えて、それを組み立てて、さらに実行する。即戦力になることが求められるでしょうね。そのためにも大学生活で、色んなことをやってみた方が良いと思います」

 金子さんの話を聞いていると、一旦社会に出たからといって目線が変わるというわけではなく、個人の考え方や貪欲な探究心から可能性は広がるものだと感じた。社会に出て働いていないからわからない。それは自分の怠惰を隠す言い訳でしかないのかもしれない。

(清野智太郎)

 



 

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