一度聞いたら耳から離れない。仕事をしていても考え事をしていても耳のどこかに残っているフレーズが果てしなくリフレインする。聴く度ごとに新たな発見をし、決して飽きさせると言うことが無い。そして気がついてみるといつのまにやら口ずさんでしまっている。それが本当にいい音楽、後世に残すべき音楽と呼べるものではないだろうか。

 二〇〇〇年は音楽シーンの中でも個性的と呼ばれるアーティストたちが数多くデビューした。そんな中にあって一際異彩を放っているグループが、LOVEPYCHEDELICOである。まだ、デビューして一年とたっていないのに、1stアルバムはオリコン一位を獲得した。彼らのどこが他と違うのか。

 六十年代七十年代をほうふつとさせる(もちろんただむやみに懐古に走っているわけではないが)骨太で重厚なサウンドにどこかぼかしたようなホワンとした感じの声、そして何といってもその独特の歌詞。初めて聞くとまるで洋楽のようであり、しかし、よくよく聞いてみると英語の楽曲に日本語をちりばめたようなその歌詞が、聞いている者をどこか不自然なそれでいて調和の取れた世界に呼び込む。そんななんともいえない不思議な感じ、彼らの音楽すべてが他をぬきんでていることは間違いないだろう。

 事実、最近流行のオーディション番組からのデビューや、ビッグプロデューサーの手によるものではないのに、ここまでブレイクしたことから彼らが相当の実力の持ち主であると言うことを示しているだろう。もちろん広告の効果というものもあると言えばあるが。今回出されたアルバム「THE GREATEST HITS」もそのすべてがシングル曲といってもいいほど、完成度が高い。ヒット曲をはじめの三〜四曲目に収録してしまってもその後の楽曲が色褪せることが無い。

 宇多田ヒカルもそんな形でアルバムを出したのは記憶に新しい。彼女のも最初のほうにシングルを集めていた。そしてこれはもう音楽史、もしかしたら日本史にも載ってしまうんではないかというぐらいヒットを飛ばした。もちろん宇多田とは違うというのはあたりまえだが、それに引けを取らないぐらい、今回のアルバムもデビュー作とはいえないほど高い水準を誇る。個性派の実力のある何か聴き応えのあるアーティストをお探しの方はこれをぜひお勧めする。あなたも知らず知らずのうちに口ずさんでしまうに違いない。           

 

  


 

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