法科大学院

リーガルクリニック準備室開設(続報)


 本学は、五月一日付けで法科大学院リーガルクリニック準備室を開設した。クリニックでの授業の準備を兼ねて、法律事務所リエゾンとして法律相談を受け付けており、二名の所属弁護士が受け持っている。

 来年四月に大学院が開講し、クリニックを科目登録すると授業を受けられる。授業では法律相談への立ち会いのほか、あるテーマを決めて専門の先生による話を聞いたり、ディスカッションをする研究会を開く。あくまでも相談等の主導は所属弁護士が行なうが、学生も質問をしたり、調査を手伝ったりするそうだ。

 中村弁護士は、「すでに法律事務所を開設しているのは、学生が関わるための事件を確保するためでもある」と説明している。すでに受けている事件については、大学院の開講までに解決する見込みなので、その記録を教材に活用するそうだ。また、「来年四月からは、三十人ほどの弁護士に協力を頼んであるため、授業で扱う事件の確保は十分だ」と佐藤弁護士はいう。

 クリニックでは、体験・参加型の法学教育を目指すという。佐藤氏は、「六法などの知識だけではなく、その理論や言葉を事件に使い、学生の生活センスを磨いていきたい」と話す。また、外部に学生を派遣するエクスターンシップがある。派遣先は法律事務所が中心だが、より多くの現場を目にするためだという。長期休暇などを利用して実施される予定だ。

 法律上のことだけを扱うのではなく、「個人の感情や事情を受け止めつつ、総合的に相談者を把握するリーガルカウンセリングを重視したい」と中村氏は抱負を語る。そのために、福祉関係やカウンセリングを行うNPO団体と連携を結んで活動していき、エクスターンシップの派遣先にも設定されている。「リエゾン」が、この「連携」という意味であることからも、その理念がうかがえる。

 相談は、日常的なものも含め、できるだけ幅広く扱っていくとのことだ。佐藤氏は、「実際に弁護士が扱うのは、日常的な事件も多いため」と、その必要性を説明する。

 現在は個人法律事務所として運営しているが、十月には法人化する予定だ。また、法科大学院が開講してからは、現在の一口坂別館から、法科大学院となる六九年館に移転する。大学院との連携も図りつつ、独立した法律事務所として運営していくという。

 

 



COPYRIGHT(C)法政大学新聞学会

このホームページにおける全ての掲載記事・写真の著作権は法政大学新聞学会に帰属します。

無断転載・流用は禁止します。

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送