食堂問題への対応や、サークル活動
  イベントなどを通じた多摩地区活性化に意欲

 多摩キャンパスは、エッグドーム開設、現代福祉学部の設置など数年間で大きく状況が変化した。そこで多摩に起こる様々な問題の解決や対策、また学生との関係について新しく多摩学生部長に就任した佐藤金吾社会学部教授と、多摩学生部の小林明多摩学生部次長にお話を伺った。

―まず昨年度、現代福祉学部が設置されました。それに伴う学生の増加により昼食時の食堂が大変混雑し、学生たちの不満は高まっています。これに対してどのような対応を行っているのでしょうか。
佐藤 食堂問題は、私に課せられた最重要課題と認識しています。@前年度に多摩学生部長のもとに「食堂問題検討小委員会」が作られ、主として現状の施設での当面の対応を検討してきました。そこで出された結果をもとにすでに具体的な対処が取られています。内容としては、食堂の混雑解消策として、現代福祉学部棟のラウンジで弁当販売が始まりましたが、社会学部棟や経済学部棟の食堂周辺やエッグドーム内でも新規に始められました。また先のラウンジや六号館の食堂内、そして六号館の周辺に座席を増設しましたし、更に七月には総合棟一階の旧CD機の場所に約三十席を新たに設ける予定です。
A今年度は、五月に発足した第二次検討小委員会を中心に、すでに取られた改善策が効果的に行われるように、また新しく起こる問題への迅速な対応にあたります。さらに食堂問題のあり方を検討するために、学生の食堂利用実態調査、近隣大学や同じような郊外型私大の食堂問題の研究・調査をスタートさせる予定です。全ての対応は、データに裏付けられた形できちんと行っていきたいと考えています。もし今後、現在の施設で対応できないと判断された場合、食堂棟の建設も視野に入れています。
小林 とにかく多摩キャンパスでの学生の食に対する動向の実態調査と、他の郊外型私大の食堂調査が重要と考えています。都心型のキャンパスと違って多摩の場合は、キャンパスの周辺には何もありません。
―次に食堂と同じ理由としてバスの問題があります。学生の増加による混雑に対してどのように対処しているのでしょうか。
佐藤 現在のところ混雑した時間帯に、臨時バスを出してもらう形で対処しています。正規のダイヤに今のところ変更はありません。
 しかしバスだけでは混雑問題の根本的な解決が困難であるので、多摩キャンパス創設当時から懸案のモノレールを含めた交通問題改善のための取り組みを引き続き行っています。具体的には学園都市交通研究会に積極的に参加し開通の可能性を追求します。また、今年度に入り八王子学園都市連絡会にモノレール検討委員会が設置されましたが、そこで法政大学が中心的な役割を担うこととなると思われます。
―次に厚生施設であるエッグドームについてお聞きしたいと思います。この施設が開設されて二年が経過し、利用も増えてきています。そのなかで学生の利用状況・実態についてどのように考えておりますか。
佐藤 利用者が増加している好ましい状況の中で、さらにどのように学生に有効に利用してもらうか考えていきたい。設備については、利用実態に見合った形で、利用者の使い勝手が良くなるようにその充実もはかっていきたい。今、挙がっている例で、音楽練習室の一室にアンプやドラムを備え付けにするのがあります。  私自身がもっとも考えているのが、現在ビリヤード台が置かれている三階を「溜まり場」のように利用してほしいことです。ここにきたら遊べるような集まりやすい場所にしたいわけです。そのための目玉施設があるといいと考えています。このような場が活用されて、学生たちが交流を行うきっかけとなることを願っています。
小林 実際の利用件数ですが、一九九九度は四一七二件(ビリヤードの使用を除く)です。二〇〇〇年度は四九八二件です。利用が増えた主な施設は、会議室や研修室です。ミーティング等の場所として、気軽に借りることのできるエッグドームを使用しているのではないでしょうか。また三階では麻雀や将棋も行われています。廻りの人に迷惑をかけない利用の仕方で行われるよう見守りながら、大学としても「遊び道具」を検討したいと考えております。

潜在的な学生の意見を汲み取れるか


―以前の取材(九八年六月)でカラオケ等が導入されると言っていましたがこの点はどうなったのでしょうか。
小林 カラオケ等の遊戯施設については、大学の中に必要なものであるのかという声もあり、引き続き導入できるような世論作りをしていきたいと思います。
 多摩キャンパスの特異な環境として、通学の方向が三方向に分かれているということが挙げられます。つまり大学の周りで交流できにくい環境にあると言えます。このような環境の中で、キャンパスにおいて少しでも交流促進が出来る施設や環境は何かを模索していきたいと考えています。
―エッグドームのBOX利用について伺いたいと思います。現在一つのBOXを二つのサークルが使用している状態がある訳ですが、このような状況についてどうお考えですか。また一年ごとに更新される状況について変更はあるのでしょうか。
佐藤 現状から言いますと二十五のBOXがあり、その中で十五が複数サークル使用となっています。今のところBOXの増設は考えていません。むしろ学生たちには、サークル用ロッカーの使用と会議室の活用をしてもらいたいですね。それからBOXの更新については規定になっていますのでこちらも変更することはありません。
小林 サークルに関する多摩の特徴として、多摩キャンパス独自のサークルの数が少ないと考えています。そこでサークル活動ができるような手助け、環境作りを考えています。 佐藤 例えば顧問の先生が見つからないようなことで、サークルが出来ないというような些細な障害は排除していきたいですね。
―昨年度の多摩地区の法政祭において死亡事故や負傷事故が発生したわけですが、今後の学生への施設貸与等について便宜供与について変化はあるのでしょうか。
佐藤 現時点で言えば施設貸与については変化ないと考えています。ただ法政祭が近づいた時点で、事故の再発防止に関して実行委員会と話し合いたいと考えています。
 また事故の再発防止のための注意喚起として、全ての学生に向けた交通安全講習会を計画中です。飲酒については様々な形で自覚を訴えていきたいと思います。
―最後に学生と学生部との関係をどのように考えていきますか。抱負と合わせてお聞かせください。
佐藤 まず学生部として学生の持つ様々な要求・要望を受けるような対応・体制をきちんとしていきたい。
 目に見える問題として、まず食堂の問題にきちんと対応していきたい。二つ目にはサークル活動、イベント等を通した多摩キャンパスの活性化をはかっていきたい。とにかく学生に充足感・充実感を持ってもらえるような案を出していきたいと思います。
 それから目に見えないような問題、潜在的にあり、今後重要になりうるような問題に目配りをしていく。これも学生部、そしてその長である私の役割と思っています。具体的に言えば、一人一人の学生へのサービスとかケアの充実ですね。例えばサービスの面で言うと、学生部の持つ、役立つ多くの情報を積極的に提供していくことが考えられます。そのために学生部のHPなどを活用していきたいと思います。ケアに関して言えば、問題が起こってから対処するのではなく、事前に対応を行っていくような予防型のケアに重点をおいていきたいと考えています。

 

  


 

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