八月一日より都内の八大学の図書館において「山手線沿線私立大学図書館コンソーシアム(共同体)」がスタートした。図書館の生き残りをかけているといわれているこの事業。開始から約四ヶ月が経過し一体どのような現状になっているのだろうか。

 このコンソーシアムの設立の目的は、増大する出版物や電子図書館など情報化時代への対応、予算制限、限られた保存スペースの問題など、もはや一大学の図書館では対応が追いつかない状況になっていた。そこで各大学が連携、協力して諸問題に対応していくために作られた。参加大学は、法政の他に青山学院、学習院、國學院、東洋、明治、明治学院、立教の各大学。山手線沿線に限定した理由は、利用者の利便を考えてのことだという。
  現在行われているサービスは二つ。一つ目は、各大学の図書館のオンライン目録(OPEC)のインターネット上の共通利用。二つ目は、従来紹介状が必要だった他大の館内利用を原則として学生証(教職員の場合は身分証明書)のみで利用できるようになった点である。ただし各大学によって利用方法が違うので確認する必要がある。図書の相互貸し出しは、現在行われていない。しかし来年四月から可能となるように調整が進められている。
 開始から四ヶ月、実際の利用状況はどうであろうか。他大生の法大図書館の利用については、近隣の明治大学を中心に、月を追うごとに来館人数が増えているという。また法大生も同様に他大の図書館を積極的に利用しているという統計が出ている。「せっかくのよいシステムなので、もっと積極的に利用して欲しい」と図書館では言っている。
  今後コンソーシアムでは、参加大学を増やすことを検討している。具体的に参加を希望する大学もあるという。しかし「あまり多すぎては、コンソーシアム全体のまとまりがとれなくなる」として全部で十大学程度になる予定だ。特殊分野の雑誌や新聞などの分担収集。各大学の持つ特色のある収書の情報公開、高価な電子媒体の共同購入などの他、図書館職員の研修なども行っていくとしている。
  ただしまだ発展途上の段階である分野が多い。例えば法大の中でもこのコンソーシアムに参加しているのは、市ヶ谷のみで多摩・小金井の図書館は参加していない。他大も同様の状況でコンソーシアムに参加しているのは、都心のキャンパスの図書館のみに限られている大学も多い。「現在同意できるところからスタートした」と説明する。
  今回のコンソーシアム参加で八校合わせた蔵書規模が、合計で約一千万冊に到達したという。しかしこの巨大な蔵書規模に見合ったきめ細やかなサービスが、これから求められる。 コンソーシアムの共同ホームページは http://www.hosei.ac.jp/general/library/lib-ichi/lcity/info.html

 

  


 

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