キャリアデザイン学部認可


 新時代の法政大学の象徴となるのか。十二月十九日、大学は今年四月からの開講を目指していたキャリアデザイン学部が文部科学省に認可されたと発表した。これで法政大学の進める今年度の教学改革は大方終了したといえる。キャリアデザイン学部は夜間コースを主に募集し、社会人を主な対象にするなど新しい試みである一方、受験生からは「何をする学部かよくわからない」といった声も聞かれ、未だ未知数の状態となっている。

  そもそも「キャリアデザイン」とは「個人が自らのキャリアを自分自身で設計していく」という意味がこめられており、キャリアデザイン学部もそうした理念のもと設置された。また、「生涯学習社会のパイオニア」という目標を掲げており社会人にも積極的に門戸を開いていく。

 具体的なカリキュラムの特徴としては、他学部と同様に一般教養科目を受け幅広い知識を学習するとともに、専門科目では様々な「キャリアデザイン系」と呼ばれるユニークな科目を学ぶ。その内容は「キャリアデザイン論」、「生涯学習入門」など他では見られない珍しいものが多い。また、「自己発見・能力診断プログラム」「履修指導プログラム」など学生自らの生き方、適性などを考える講座が必修になっているほか「学習アドバイザー」が常勤する体制がとられているなど学生一人一人のキャリア形成を積極的に支援していく。

 この他に人間環境学部などと同じように昼夜開講制をとっており、幅広い年代層の学生を受け入れることが出来るのも特徴だ。既存の学部とは様々に違った要素を組み込み、新学部はスタートする。

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 しかし、不安要素が存在するのも事実だ。まず学部自体の方向性がはっきりしていないことだ。そもそも「キャリアデザイン」という言葉は欧米では頻繁に使われているものの、日本ではまだなじみが薄く曖昧な言葉であるといえる。大学発行のパンフレット等では、何をどのように学べるかといった部分に曖昧さが残る。実際にこの言葉の意味をしっかり理解して入学してくる学生がどのくらいいるのかといった点にも疑問が残る。

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 ここ数年法政大学は大規模な教学改革を進めている。昨年度の社会学部の新学科設立に続き四月からはこの学部の設立に加え、経営学部でも新学科が設立される。こういった流れは今後も続くものと思われるが理念や目的がはっきりしないものも多く「ただの学生集めではないか」といった批判の声も多い。

  この学部が成功するかどうかは今後の関係者の努力と実績次第であろう。四月、様々な期待と不安を抱えながら新学部は開講の時を迎える。

 

 



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