光GENJIのある歌の中に「やりたいこと、やったもん勝ち」という歌詞がある。今時ジャニーズの歌詞について語るのも嫌なのだが、正直に打ち明けてしまうと、心にストレートパンチを食らうような歌詞だと思う。新鮮味を感じるし、衝撃的だ。初めて聞いたときはこの言葉の力強さに「まぁ!」と驚いたものだった。ところがそれと同時にもやもやと浮かびあがる思い。私が今送っている毎日がなにやら色を失ってしまい、実も蓋もない、力の無いものに感じられてしまう。そして何かが足りないと気付く
 先月行われた自主法政祭。大学二年目にして初めて学生プロレスを見た。留まることを知らない言葉遣い、流れるような実況に「この実況者、プロになれるよ」と思いながら観戦した全五試合。ユーモアのある試合は大いに笑えて、時に真剣に見入るといった感じだろうか。とにかく観客の笑いが絶えない試合内容であった
 ところが「トム・クルーズ」選手の引退試合と称された第三試合終了後、トム選手がマイクを片手に熱のこもった声で話し出したとき、私はさっきまでの自分を多少恥じた。心のどこかで彼らを少なからず軽んじていた私がいたからだ。こんなにも真剣な思いで試合に打ち込んでいたなんて…
 「俺は一度プロレスから離れましたが、先輩や後輩に迎えてもらえてもう一度出来るようになりました。皆はこんなことに一生懸命になるなんて馬鹿らしいと思うかもしれないけど、俺にとってはプロレスが青春なんだ」と彼は言った。「青春」という言葉は叫びに近かった。思わず涙腺が緩んだほど、私には強烈に響いた言葉。同じように涙ぐんだ人も多かっただろう
 人生とまではいかなくとも、一瞬一瞬の自分の生き方を、堂々と胸を張って他人に言える。やりたいことをしっかりこなせている。明確な意思を持って行動をとる。素敵だなぁと思ってしまった。彼のような人は輝いて見える。私も輝きたいと思うから光GENJIが響くのだろうな。

 

 



 

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