体育会アメリカンフットボウル部は十二月二日、クラッシュボウル決勝戦で日本体育大学(ゴールデンベアーズ)と対戦し、55-24で勝利した。これにより、トマホークスは実質的な学生日本一を決める甲子園ボウルへの出場権を獲得、十六日、関西学院大学(ファイターズ)と対戦する。法政の関東優勝はこれで8年連続で最多連勝記録を持つ日本大学(フェニックス)と並んだ。 試合はクラッシュボウル決勝、一貫して法政のペース。1Qでは、QB桑野、TB伊藤がそれぞれ30yd手前からTDを決めた。2Q、桑野が二本追加。この間、日体大はQB中村らがパスを中心にロングパスを決め、TDに結びつけはするが、今一つ及ばない。3Qは法政の独断上。WR山岸、TE日田にパスをちらせ得点を追加させるものの、4Qでは日体大が反攻を開始、連続して3TDを決めるが、時すでに遅く、試合は終わった。 クラッシュボウル決勝での日体大との対戦は昨年から続く2回目。「そんなに力の差はない」(大森監督)としていたが、随所に法政の技巧が勝っているのが見てとれる。本来、日体大のQB中村が投げるパスの精度には定評がある。そのため、「ランを抑えて、パスで勝負しようというのがディフェンスのゲームプランでした」(LB塚野)。完全に攻撃を封じ込めることはできなかったが、特に法政ライン陣のラッシュはQB中村にとって脅威になったようだ。巨漢DF西川、トマホークス主将DE小林らのラッシュは中村にパスコースを探る時間を与えず、QBサックを避ける中村は無意味にパスを投じる場面も度々であった。「リーグ戦後半になって力を出せるようになってきた」(大森監督)という法政ディフェンス陣の力がそこに表れている。但し、ロングパスを防げなかったのは今一つ「リアクションが甘かった」(LB塚野)せいだろうか。 「走るのは好き」と語る法政QB桑野。バランスアタックを目指す法政にとって、QB桑野はパスの能力を期待されていた選手だったが、むしろ自らボールを持つ機会が多い。法政「伝家の宝刀」オプションプレイを継承し、ピッチ、キープ、ギブとその判断の正確さには歴代QBの影を感じる。とはいえ、彼は三年生。スターターとしてプレイをするのは今年が一年目。「パスが決まらないと、甲子園では勝てない」(QB桑野)と課題も残している。 甲子園ボウルへ向けての方針について「昨年はスター選手のビッグプレイでモメンタムを引き寄せる形をとっていたが、今年はみんなで攻めのフットボウルをする」と語るのは主将DE小林。確かに彼の言う通り、今回の試合も昨年ほどに圧勝と言えるようなゲーム内容ではなかった。「甲子園ではオフェンス、ディフェンスともに気持ちを強くもって、チャンスを物にする」アメリカンフットボウルにおいて、チーム、試合会場の雰囲気は如実に結果に表れる。モメンタム、つまり「勢い」というのは言葉の印象以上に重要な意味を持つ。昨年は見事に好機をつかみ、それが法政に初の甲子園ボウル単独優勝をもたらした。甲子園ボウルでの対戦チームは昨年下したとはいえ、強豪揃いの関西リーグを全勝で終えた関西学院である。初の連続優勝を目指す法政にとってモメンタムが鍵になるのは間違いない。  

 

 


   

 

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