新人記者観戦記


 

 四月二十日。この日が私の六大学野球初観戦となった。席に座り球場を見渡すとすでに試合は始まっていて、すべての選手が精一杯戦っている。そのなかにはプロに行くといわれている選手もいる。

 プロ野球が好きで、選手がプロに行くことの多い六大学野球にあこがれていた。球場には、六大学に入り自分の学校を応援するのが夢だった私の、まさにその夢の世界が広がっていた。

 選手を覚えようと一人一人を名鑑で確認しながら見ていた。しかし六回、法政がチャンスを作り、伊藤選手の適時打で一点追加。その場面を応援しているとき、プロ野球の応援より熱くなっていることに気がついた。そしてそのとき私は名鑑のことを忘れていた。

 その日までは、入る前の六大学全体への憧れが強すぎたせいか、自分自身が法政大学の一員なのだという実感がまったく湧かなかった。法政、と聞いても正直なところ愛着が湧かなかった。

 しかし必死に声援を送る学生やOB、大声を張り上げて応援する応援団、その応援に応えようと一生懸命戦う選手たち。その全員が一体となっているのを感じた。そして、自分自身もいつのまにか必死で法政大学を応援しているのに気づき、私も彼らと一体となっているのだと感じた。私も法政大学の学生で、球場内でプレーを見せている選手たちも遠い世界の人たちではなく、同じ大学に通う先輩たちなのだ。

 先輩たちの必死のプレーを見ていると勇気をもらえる。自分もできることをしっかりやらなければ、という気になる。そして、感動も味わえる。このすばらしさを少しでも新聞を通して伝えられるように、私にできること、つまり取材を精一杯頑張りたいと思う。    (石井悠美子)

 

 


   

 

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