第七十八回東京箱根間往復大学駅伝競走が来月の二日、三日に行われる。前回の箱根駅伝では、大村ら四年生の粘りとエース徳本、準エース土井の区間二位という貫禄の走り、さらには一年生の期待以上の好走が絡み、総合四位でシード権を確保した。今年に入り、他の駅伝でも上位進出が見られる中、陸上競技部は前々回の十位という苦杯を乗り越え、常時シード権を確保できる安定期へと飛躍するのか。成田道彦監督の声を交えて、今年を振り返ると共に、箱根駅伝についてうらなってみた。

  前回のメンバーが七人残り、新チーム結成後、最初に成田監督は「あと三人をどう埋めるかに的を絞った」という。それがそのまま今年の課題となった。「同区間に三人ずつ組んで走らせるなりして、競わせてきましたよ」。一方、チームは土井の不調もあったが、十月の出雲七位、十一月の全日本五位と、前年を上回る成績をあげた。しかし、その成果も、箱根より人数が少ない大会での結果のため、課題を克服したのかどうかわからない。「厳しい予選を今年は経験していないから、正直心配だ」という声もあがる。

  十二月に行われた記録会では、各大学が軒並み凡走に終わる中、法大は多くの選手が自己ベストを出した。チームは上り調子だ。「調子を上げすぎたかな」と心配する声も聞かれたが、去年以上の力強さを感じた。底上げが出来た結果、層に厚みを増し、決して満足顔を見せなかった監督だが、ここにきて手応えをしっかりとつかんだようだ。 「駅伝とはリスクをいかに押さえるかが勝負なんです」。チームの成長の鍵を監督はこう表現する。大エースを擁しても、他の区間がブレーキでは話にならない。いかに谷間の区間を作らないかがポイントであると話す。そして練習スタイルにもこだわりがある。「この一年間だけを強くするならば多く走らせますが、反動で次の年はつぶれてしまう。質を考え、怪我をしないで、こつこつ積み重ねようとしています」。安定した成績を残せるのも、この思考法ではないか。

  「目標? 選手が三位と言っているから私も三位でしょう」。おどけてみせているが、正月の晴れの舞台に何かを起こす自信をうかがうことができた。そして気になるメンバーであるが、去年の区間を踏襲する可能性が高い。先にも触れたが、経験とリスク回避を重んじる監督としては、急激な区間変更は考えにくい。「最初から勢いに乗ること。うちはこれしかない」と先行逃げ切りにこだわる所からも、去年とほぼ同じ配置で臨むと思われる。前回世間を騒がせた大村が抜けた山に関しては、未知数の所もあるが、記録を出した未経験者か、将来を考えてコンバートした選手にたすきを預けるのではないだろうか。「大村以上の選手をぶつけますよ」と横から部長の声も聞かれる中、注目の区間とも言えそうだ。 マスコミからもノーマークであった前回。「今回はアナウンサーも取材に来るみたいですよ」。新しい門出を迎える陸上競技部が出場する新春の花、箱根駅伝は例年通り、正月二日午前八時スタート。

 

 


   

 

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