箱根駅伝 総合16位

タスキつなぐも、流れつなげず


 

 まさかの途中棄権からちょうど1年―。新春を熱く賑わす第79回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)が今月2日、3日に行われた。予選会を見事に通過した法大だが、エース土井(社・4)、黒田(社・3)らをけがで欠く厳しい展開となり、総合16位で、来年へのシード権が得られる10位以内からは脱落した。しかし、前回の途中棄権からの1年越しとなる母校のタスキを、大手町のゴールへと届けた。

 

  レースは序盤から厳しい戦いが続いた。1区・有原(経・3)が区間5位の力走で2区・長嶺(経・3)へとタスキを渡したが、各校の強豪ランナーがひしめく花の区間で長嶺は結果を残せず、ずるずると後退。順位を14位へと落とした。その後、初出場選手の起用が裏目に出てしまい、チームを立て直すことができず、一度も浮上することなく18位で往路を終えた。

 2日目。前日の惨敗で、シード権争いからも離れ、チームの目標を見失いつつある中、新人・白田(社・1)が鈍重な雰囲気を吹き払うように山を駆け下りた。路面が雪で凍結しながらも、前傾姿勢で突き進む堂々たる走り。恐怖心のかけらもみせないまま、順位を15位と押し上げ、区間3位の力走を見せた。しかし、後が続かない。7区、8区でブレーキがかかり、6区に始まった小さな流れが大きな激流とはならなかった。この後、9区・中村(社・3)、10区・中矢(社・2)が懸命な走りをみせるが及ばず、復路12位、総合16位に終わった。

 レース後、成田監督は「自分の指導力不足でけが人が多かったが、10人ぎりぎりの中で、選手はよく頑張ってくれた。来年につながる結果」と語り、レース前に欠場が決まったエース土井、準エース黒田が不在の中で、タスキをつないだ選手にねぎらいの言葉をかけた。

 来年は再び予選会からのスタートで、仕切り直しとなる陸上部ではあるが、来年に向け、大きな経験を得た大会となったに違いない。

 

 今回の大会では、主力の土井、黒田を欠くという大きな問題を抱えていた。戦力としてはもちろん、大会出場経験が多い2人は、チームにとって、流れを変えることができる重要な選手だった。

  第76回大会。法大は29秒差でシード権を逃したが、当時1年生で9区を任せられた土井は、区間7位のタイムで前のチームとの差を縮めていた。しかし土井は喜びもせず、「単純に速いラップを刻んで次へつなぐだけではなく、チームの悪い流れを変える走りがしたかった」と順位を上げられなかったことを悔しがった。この言葉は「駅伝」が個人競技でありながら、チームとして戦うものであるということを如実に表しているのではないか。第77回大会で総合4位に輝いた時は、各選手がタスキだけでなく1区・黒田が作った勢いも運んでいた気がする。

 今回、序盤と中盤で作った良い流れをチームとして維持できなかった。それはチーム全体の課題である。しかし、駅伝とは個の結集でもある。チームの良い流れはそのまま引き継ぐためには、やはり個の強さも必要だ。

 今回は多くの1年生が出場し、魔物が潜むと言われる箱根を経験した。そこに他校とは違ったアドバンテージがあるはずだ。

 

 


   

 

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