全日本選手権 準決勝敗退


 

 一月二日、全国大学ラグビー選手権大会・準決勝が国立競技場で行われた。法大は強豪・早大と対戦。昨年、この大会で準決勝の壁を越えられなかった法大は二年ぶりの決勝進出、そして悲願の大学日本一を目指し早大に挑んだが、その壁はあまりにも高く、実力の差を思い知らされる形となった。

 

 早大は強かった。試合終了後、負けた悔しさ以上に、この思いの方がはるかに上回った。「接点での争いがポイントになる」と試合前に両校の監督が口を揃えて語ったように、まさにこの点が勝敗を分けた。

 前半8分、早大はラックポイントで競り勝ち、法大のブラインドバックが誰もいないところを早大・WTB仲山が抜け出しサイドを独走。先制トライ。法大は一瞬の隙を突かれ、先制を許した。

 しかし、法大も黙ってはいない。前半23分、法大のラインの人数が早大を上回り、早大はそれにドリフトして対応。その開いたスペースに初スタメンのTB木村(4年)が飛び込みゴール中央にトライ。金澤(3年)がPGを決め逆転に成功した。だが、法大が得点でリードした場面はこれが最初で最後となってしまった。

 3分後、周りをよく見ていた早大・HB大田尾が右サイドに大きく開いていたTB山岡にパスし、逆転を許すトライ。前半の終盤、法大もスクラムからゴール前に迫るが、ノックオンで自らミスをまねき、チャンスを活かすことができない。結局、早大リードの10―7で前半を折り返した。 「風下側だった前半にリードできずに折り返したのが誤算だった」と語った法大・山本監督とは対照的に「前半は風上側だったため、選手達に我慢するように言ったが、リードして折り返したのはラッキーだった」と早大・清宮監督は語り、前半ですでに勝負は見えていた。そして、後半、早大のワンマンショーが幕を開ける。

 風下側に立った早大は、後半開始から15分の間に立て続けに4本のトライを決める。法大は早大のグラウンドをワイドに使う素早い攻撃に対し、タックルが受け身になってしまい、思うようにディフェンスが出来ずに苦しむ。攻撃に関しても、HB麻田(4年)を中心に展開ラグビーを試みるが、早大の攻撃的ディフェンスが前に立ちはだかり、余裕のないところでのプレーが多いため、ノックオン、アクシデンタルオフサイドなどの細かいミスが目立つようになる。時間が経つにつれ、法大はスタミナが落ち、プレーの精度が低くなる。そこにとどめが入る。後半ロスタイム、早大・FW上村がゴール右にトライ。7―43。ノーサイド。法大の選手達は国立の芝生の上に崩れ落ちた。

 接点での争いで、常に数的優位に立った早大が後半爆発し、スタミナの落ちた法大を圧倒した形となったこの試合。法大は本来、高速展開ラグビーが持ち味。しかし、早大相手では思うように攻撃が組み立てられないことが予想され、得意の鋭いタックルで早大に素早いプレッシャーをかけミスを誘い勝機を見い出そうとした。しかし、頼みのタックルが受け身となってしまい、全ての面で劣勢となってしまった。

 「思っていた以上に早大とうちでは実力の差があった」と山本監督は語り、無念の表情を浮かべた。試合終了後、麻田主将の流した涙の意味を、後輩たちは必ず受け継いでくれるはずだ。      文・池田陽平

 

 


   

 

COPYRIGHT(C)法政大学新聞学会

このホームページにおける全ての掲載記事・写真の著作権は法政大学新聞学会に帰属します。

無断転載・流用は禁止します。

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送