九月八日より、東京六大学野球秋季リーグが開幕した。今季は春季に優勝を争った法大、立大がけが人を抱え、混戦が予想されている。法大は第一週の東大戦で圧勝したものの、第三週の慶大戦では苦戦を強いられ、勝ち点を落とした。第三週が終わった時点で勝率五割の三位。法大の春秋連覇への道は険しい。

  今季の法大は、エース土居投手(営・三)、奈須投手(法・三)の故障による戦線離脱という危機的状況にある。春季は土居・奈須両投手の二枚看板で優勝を勝ち取っただけに、苦しい試合が続く。山中監督は「土居の離脱は確かに厳しいが、他の選手にチャンスが回るという点ではある意味いい刺激となっている」と語るが、春には見られなかった苦しい場面での継投が目立つ。そんな中で、全日本選手権で素晴らしい結果を残した松本(祥)投手(法・二)が東大戦では10奪三振で初完封。慶大戦では負けはしたものの、18奪三振という史上二位タイの記録を打ち立てた。これは、昭和二九年春の明大・秋山投手の22奪三振に次ぎ、対東大戦を除くと一位という快挙である。山中監督が「松本が頼り」と言うように、松本投手が投手陣の要となっている。

  しかしその一方で、打線が元気を無くしている。東大戦こそ、二戦目に、全日本選手権でベンチを離れていた河野選手(営・三)や日米野球でマスクをかぶった浅井選手(法・四)らの活躍で、11安打11得点での勝利。打順も全日本選手権で頭角を現した普久原選手(法・一)を一番にし、春季に高打率を記録した河野選手(営・三)を三番にするなど結果の出ている選手を起用。打線はベストな状態で臨んでいるにもかかわらず、慶大戦では全日本選手権でも課題だった「あと一本」がなかなか出ず、投手陣の援護ができなかった。慶大戦後、「打線がもっと奮起しなければ」と山中監督は苦い表情。田中主将(法・四)も「何で打てないんでしょうかね」と首をひねった。

  まだ、明大・早大・立大と、強豪校との対戦が残されている。投打ともに不安材料を抱えてはいるが、「最後まで諦めない」と田中主将。連覇を狙うために法大に残された道はただ一つ。勝ち続けるしかない。 (幕内 綾子)

 

 


   

 

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