四月二九日、球場に入ると両校の応援がすでに盛り上がっており、母校に対する想いを強く感じた。母校を応援するということがこんなにも人を熱くするのだという驚きと、自分もそのように熱くなれる母校を持てたという喜びの両方を同時に感じた瞬間だった。
 試合開始後すぐに法大がいい形で先制し、昨日の逆転勝利のムードのまま法大ペースで試合が運ばれるかに思えた。しかし中盤、相手投手江尻の変化球に苦しめられる。後に監督が「切れ味はあまりよくないが予想以上に落ちた」と述べた球にかわされていく選手達に焦りの色が見えてきた。じわりじわりと点差を詰めてくる早大の攻撃に次第に私も恐怖感を抱いていった。結果は二―四で法大が敗れ、早大にとっては通算一〇〇〇勝試合となった。
 スポーツは精神的なものが結果を左右するという事実を改めて感じた試合だった。チーム全体の雰囲気が沈んでいる時でも、きっかけをつかみさえすれば自分達で試合を動かし、相手を突き放すことが充分に可能であるはずだと試合を見ていて感じた。  三戦目の勝利を祈り、球場を出た。       (安彦史織)
 
 
 四月二八日、私は六大学野球の法大対早大戦を観に初めて神宮球場に足を踏み入れた。私は幼少の時から野球が好きで、今までにプロ野球などを観に数回、球場に足を運んだことがあったが、この日の神宮球場に入る感覚は、今までの別の球場に入る感覚とは違った「何か」を感じた。
 その「何か」を理解できないまま私は観客席に座った。グラウンドでは法大の選手達が練習をしている。その中には卒業後はおそらくプロ野球へと進むだろうといわれている選手もいる。私は「この人達は自分とは違う別世界の人達なんだな」と感じ、そこにはただ、一野球ファンとしての自分がいるだけだった。
 試合が始まった。両校の応援が盛り上がる中、私もグラウンドの法大の選手達同様にピッチャーから投じられる球、バッターの打球、野手のさばく送球などの一球一球に緊張感を自分の体の中に走らせていた。
 私はこのとき、ふと感じた。神宮球場に足を踏み入れたときに感じたあの「何か」を。「この選手達も自分と同じ法大生なんだ」という、なんとも当たり前で自分と唯一ともいえる共通点に気がついたのだ。  「何か」が何だったのか。それは法大生として法大を応援する自分が今、そこにいるということだった。神宮のグラウンド、観客席にいる全ての法大生が一体となり、一球一球に全ての法大生が同じ緊張感を走らせる。このなんとも言えぬ快感にも似た感覚は、やはり神宮球場に実際に足を運んでみないと体感することはできない。
 私はこの感覚を一人でも多くの法大生に味わってほしいと思った。ぜひ一度、神宮球場に足を運び法大を応援し、この感覚を味わってみてはどうだろうか。 (池田陽平)              

 


  


 

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