松本は今年の春季リーグで4試合にリリーフとして登板。合計6イニングを無失点に抑えている。全日本選手権では先発も経験。快投を披露し、二勝を挙げる。公式戦の投球回数こそまだ少ないが、安定した内容で結果を出している。

  今季は春の優勝に大きく貢献した土居・奈須両投手が共に故障で不在。そんな非常事態の中、一年の春からリーグ戦の登板経験のある二年生の松本に、各カード初戦の先発を任される。

  開幕を迎えた東大戦。リーグ戦初先発の松本はストライクを先行させ、テンポの良い投球で隙を見せない。左投手独特の角度をつけたコーナーワークを駆使し、東大打線を翻弄する。結局、終始安定したピッチングで、初完投を無四球完封で飾る。「選手権での経験がメンタル面で自信になった。」と試合後に語ったように、実績と持ち前の度胸の良さが、開幕戦という独特の緊張感の中での初先発でも好投できた要因だろう。 マウンド上の松本は妙に落ち着いた面持ちがある。物怖じせず投げ込まれる直球には威力がある。速球は130キロ後半に留まるが、ストライクゾーンを一杯に使い、コーナーへ投げ分ける。見逃しの奪三振の多いことが裏付ける。 慶大との第一戦。先発の松本は八回まで慶大打線を毎回の17奪三振、被安打3で無失点に抑えていた。2点リードで迎えた九回。一死から中軸を迎え、連続で二塁打を許し、一点を返される。その直後、高めに浮いた初球。好打された飛球は、低い弾道で風に乗り左翼席へ吸い込まれた。まさかのサヨナラ弾。正に「魔の九回」だった。

  対慶大の第二戦。一対一で迎えた六回。一死二・三塁でのピンチの場面。松本は昨日の雪辱を胸にマウンドに上った。後続をきっちり抑え、この回を無失点で切り抜ける。この窮地の場面での起用は監督に信頼され、今季は松本を中心に回すということの証。それに松本は見事応えた。 しかし、次の七回にあっさり3安打で3点を献上してしまう。打線もその後は沈黙し、一対五で敗れた。法大にとっては痛恨の慶大戦連敗となった。

  試合後、松本は「優勝がなくなった訳ではない。また気持ちを切り替えて臨む」と巻き返しを誓った。

  今後勝ち点を挙げていくためには、この左腕の更なる躍進が必要不可欠だ。

 

 


   

 

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