シドニー五輪最終選考会が各地で繰り広げられている。かつて、日本のお家芸と謳われたバレーボールも、厳しい争いの中にいる。そして、過去、全日本インカレ等の数々の大会で優勝、五輪選手を多数輩出し、「日本の宝庫」と呼ばれた法政大学バレーボール部も、現在、同様にもがき苦しんでいる。

大きな悩み

伝統的に法政バレーは高いブロック力、火の出るようなスパイク力で相手を力でねじ伏せてきた。しかし、ルール変更によって、サイドアウトが廃止されてから、つなぐバレーが時代の主流となり、また、他大への有力選手の分散化、各大学のバレー指導の強化など、さまざまな要因が法政バレーを弱らせる結果となった。つまり、どの大学も優勝に手が届く戦国時代に突入したのだ。 「バレーはチーム競技ですが、個人の力が合わさってチームとしてまとまると思います。各自個人、頑張ってくれないと。また、一年一年変わるセッターも、アタッカー陣が合わせるのが大変で不調の原因です」と諸隈直樹(営・四)主将。チームの大黒柱である彼は、主将として選手達に厳しい要求をしていく。 「大型選手が上手さも兼ね備えるまで、勝つためには選手を組み替えるしかないですね。大型選手で勝っていくのが理想であり、伝統なんですが」と、苦しい台所事情を語るのは吉田康伸監督。 主将と監督の言葉から、簡単には改善できない、大きな悩みを抱えていることがわかる。

意識改革

「選手内の意識が現在の状態を生み出している」 きっぱりと言い切る金滝智光(文・四)主務は選手内の意識改革に現状打破への活路を求めている。主務と二人のマネージャーは、対戦校のデータを集め、監督を補佐し、試合に備えるのが主な仕事である。客観的な立場から彼は「簡単なプレーをミスすることによって気持ちが切れ、それでまた、ミスが増える。悪循環です。緊張感のなさでしょうか。チーム状態が悪い時こそ雰囲気を変える人が欲しい」と語る。 今年の春季リーグの結果をみると、四連勝した前半戦とはうって変わって、後半戦はチームの歯車がかみ合わなくなり、結果は五勝五敗の四位であった。リーグ戦途中で気持ちが切れたことが原因だったと言う。「声を出すだけでも、ずいぶん変わると思うのだけれど」

念願のタイトルヘ

バレー部には未だに多くの課題が存在する。波に乗っている時の感覚をどれだけ維持できるか。「安定感」。そこが一番の課題である。 練習風景を見ているとおとなしいチームではあるが、時折目を見張るようなプレーがある。強烈なサーブからの攻撃力は大学日本一であろう。そして、監督や選手もさまざま課題にただ指をくわえて見ているわけではない。 「一年一年勝負しています。サーブで崩して、ブロックで勝負するスタイルを完成し、トップを獲ります」と監督が力を込めれば、主将も「二年生セッターも経験を積み、自信も得たでしょう。これによってコンビバレーも機能していくと思います。タイトル獲りますよ」とぐいぐいとチームを引っ張る。

「日本一のチーム」

過去を知っている私たちはどうしてもすべてに期待をかけてしまう。その中で、チームは覇権を取り戻すために、少ない練習時間の中身を濃くすることによって、努力し続けている。 「日本一のチームと一緒に仕事ができて幸せです」と疑いもなく言う池谷理穂(経・三)マネージャーを嘘つきで卒業させてはならない。




 

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