業界別 活動の実態 

 就活はするけど会社をまったく知らないというあなたのために、マスコミ、サービス、流通、金融、商社、メーカーの六つの業界をざっと紹介しておこう。それぞれ選考過程が異なるのでちょっとした参考になるはずである。

金融

 銀行、生保、損保、政府系金融機関、証券、信販、消費者金融、先物、リースなどが金融のカテゴリーに含まれる。大手銀行はリクルーター制をとっている場合が多く(みずほは除く)、法政の場合、就職部の金融志望者名簿表に名前を記入するとOBから懇談会に誘われたりする。また東京三菱、三井住友などの場合OB(OG)面接を五〜十回ほど受けてから人事部面接を受けるのも特徴的だ。政府系金融機関も同様にリクルーターから選考に上げてもらうことが多い。

 生保の場合はエントリー後にリクルーターから連絡がくる場合が多い。オープン選考とは程遠く、大学名とスキル重視。法政は連絡がくるだけましかもしれない。よくノルマがきついと言われるが、どこの会社でも営業ならノルマがあるのであまり気にしなくてよい。法政からは毎年大手各社に三〜十名ほど内定しているようだ。

 対照的に損保はリクルーター制を採らない会社が多い。営業スタイルも異なるので、面接ではよく仕事内容を理解して臨みたい。 その他の金融は大体各社とも似たような選考方法(筆記―面接)をとる。他の業界ほど高学歴にこだわることもない。自己PRと志望動機をしっかりさせておけば内定は得られるだろう。

商社

 新聞を賑わす大手総合商社から無名の専門商社まで多く存在する。専門商社は得意分野がはっきりしているので、将来伸びそうだと思う商品を扱う会社を志望するのもよいかもしれない。英語はあれば便利という程度なので苦手でも大丈夫。ただし対外輸出入を仕事のメインとする会社も多いので将来的には必要となるだろう。

 総合商社は基本的に英語は必須。かつ幅広い知識が要求されるので能力に自身のある人は受験するとよい。二〇〇二年度は三井物産が八月、三菱商事が二月頃にインターンシップを行っていたので参加してみるのもよい体験となる(参加するにも選考があるが)。会社にもよるが女性の総合職は実質的にほとんどいなく、もっとも女性にとって狭き門となる。仕事がハードで海外転勤を伴うので、そういった理由もあるのかも知れない。給料は他社より高水準。

メーカー

 ひと括りにするのも困るくらい多くの会社が存在する。理系採用と文系採用では仕事が異なるし、採用倍率も異なるので理系に関しては詳しく語れないが、文系採用に関しては大体筆記から面接へというパターンだ。

 例を挙げると、食品は集団面接の際に自社商品のパッケージや味、CMの印象度を聞いて学生の反応を試したり、ヒット商品の作り方を学生数人で討論させたりすることが多かった。こういった商品をヒットさせる方法や宣伝の仕方を学生に聞く選考方法は、メーカーでは多い。住宅業界や家電業界でも同じような選考が行われていた。

 雑誌の人気企業ランキングを見るとトヨタやソニーなど有名なメーカーが並ぶが、これに比例するように大手は受験者の数も多い。しかし受験者を対等に扱う会社が多い(つまり実力主義)ので、法政からでも大手に内定する人は多く存在する。メーカーは食品、住宅、自動車、薬品など分野に分れているので、絞って同業内の会社を多く受けたほうが面接でもうまく話せる。そして社名やブランドにこだわらず、仕事に興味をもてる会社を受験するのが一番である。

サービス

  IT関連会社やアウトソーシングを代行する会社、旅行会社、運輸、鉄道、人材派遣会社、ホテル会社、通信などがここに該当する。今年は説明会に登録してもいないのにSE(システムエンジニア)に応募しないかという電話が多かったが、それだけIT関連の仕事の需要が多いということだろうか。

 選考方法のすべては書ききれないが、例えばホテル会社であれば外国人との交渉のために英語面接があったり、面接での礼儀作法を重視したりするなどの特徴がある。また鉄道会社では沿線開発事業やテナント運営など幅広い仕事が多く、希望する仕事内容を具体的に聞いてきたことが多かった。だが基本的に選考は他の業界と同じ。英語面接のあるホテル会社や旅行会社は英語が必須と思われがちだが、必ずしもそうではない。英語が苦手でも通過する場合も多い。SEにしてもパソコンの知識などは受験時においてはあまり要求されない。やはり一番求められるのはコミュニケーション力のようだ。

流通

 スーパーや百貨店、家電量販店、コンビニなど消費者に直接商品を販売する仕事が多い。基本的に大量採用。入社するとまず店舗に配属されて現場の仕事を学び、数年後には仕入れや企画、支店運営の仕事に携わるようになる。ただし、店舗に配属されて数年もしないうちに仕事の辛さからか辞めてしまう人が多い業界でもある。仕事内容は良く理解しておくべきだ。選考の特徴としてはグループディスカッションがよく使われる。テーマは様々だが、仕事柄対人交渉力や協調性が重視されるためだろう。また、受ける会社の店舗とライバル会社の店舗をいくつか下見して(その際支店名も覚えておく)、特徴をメモしておくと面接の際話やすくなる。特殊な知識を持つよりも、面接を通じて話好きであったり、接客に向いている点をアピールしたほうが人事の評価は高いようだ。

マスコミ

 テレビ局、ラジオ局、新聞社、出版社、広告会社などがある。給料も比較的高く、仕事に対する興味も沸きやすいことから人気の業界でもある。しかし当然、難易度も高い。

 法政といえば自主マスコミ講座が有名だが、その講座生もなかなかマスコミに就職できないのは残念なかぎり。筆記はマスコミ用の問題集があるので事前にやっておくとよい。また小論文は誰かに添削してもらったほうが客観的に分析できる。面接は相手との相性次第。出版社なら好きな本や作者、テレビ局なら好きな製作番組や他番組との比較くらいはすぐに言えなくてはならない。

 広告業界は最大手などとさえいわなければ比較的内定しやすいといえる。広告会社も大小さまざまだが、仕事への理解と発想力の豊かさを面接で出せれば選考は進めるだろう。加えるなら雑誌の「広告批評」くらいは読んでおいたほうがよいかもしれない。

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